
サンクチュアリ出版からの夜回り先生シリーズ三部作、最終章だそうな。
本の紹介については水谷先生自身が説明している動画があったので、ぜひそれを観て下さい。
動画でも言っているように、この本のテーマは「和解」。許しあうこと。
子どもの味方として活動してきた水谷先生だけど、この本では「大人も不完全な存在で、苦しみながら生きている」ということを体験を通して語り、傷ついた子どもたちに大人を許すことを求めている。
「ごめんね」
「いいんだよ」
「ありがとう」
この美しい言葉を改めて胸に刻むだけでも、この本を読んだ意味があったと思う。
水谷先生は夜間学校の教師になってから、生徒を夜の街から守るために夜の街の巡回を始めた。
次に夜の街で食い物にされる子ども以外にも、部屋にこもって苦しんでいる子どもたちの存在に気づき、電話やメールでの対応を始めた。
そしてきっと、水谷先生のところには大人からの相談も増えているに違いない。
心の病気や過去の苦しみというのは、未成年者だけの問題ではないのだから。
その声に答えて書かれたのが、本書なのではないかと思う。
ほんとに、困っている人を放っておけない人なんだろうなあ。
最近も高校生の男の子がお母さんを殺して、首を切ってしまう事件があった。子どもの凶悪犯罪はどんどん増えているように思う。
一方、同世代の友人たちの中には子どもがいる人が増えてきて、子育てや教育ということが僕にも少し身近に感じられてきた。
そこで思うのは、いままでの社会的な教育というのは、少し方向が違っていたのではないかということ。もちろん少年犯罪が増えるにはいろいろな要因があるけど、少なくとも一つの原因として教育があげられるのではないか。
価値観というのはある程度社会的に共有されていて、特に子どもはその影響を受けやすい。
メディアの風潮とか、身近な大人の振る舞いとかを見たり感じたりしながら、子どもは自分の中に価値体系を構築していく。
そしてその形に合わないと、自分自身で罠を作り出してしまう。
そんな仕組みが、子どもと大人を苦しめているような気がするんだけどな。
そして最近思うのは、自分もその(ちょっとおかしかった可能性のある)教育を受けていることを、みんな意識していないんじゃないかということ。
なんか、テレビを観たり人と話したりしても、その問題提起(社会が〜とか)に発言者自身が含まれていない印象がある。
僕らなんて「自分がこういう風に育てられたから」「自分はこれをしてもらえなかったから」なんて視点で子育てをしたら、どんどんいまの流れを加速させてしまうだけだと思う。
自分がこう育てられた、その問題点を危機感を持って見つめ直して、自分の中にある種の毒があることを認識しておかないと、何も変わっていかないと思うのです。僕らは10年ちょい前まで、教育される側だったわけだから。
なーんて本とあまり関係ないのだけど、最近そんなことを考えていた。
水谷先生は、今日(2007/5/19)も別の出版社から、「あおぞらの星」という本を出す。
この「ねがい」が最終章であることと考えあわせて、急にそんなに本を出すなんてよほど身体の具合が悪いのでは・・と心配になってしまう。(水谷先生は癌にかかっているので)
少しでも長く生きて、多くの人が水谷先生の言葉に触れられる機会を作ってほしい。
ネットでは、水谷先生の講演会に行った人が、たくさんブログを書いていて、考えるきっかけをもらっている。
僕も、機会があったら講演会でお話を聞いてみたい。
コメントする