
東京演劇集団風の作品、「rapt 誘拐」を観てきた。
貧困に追いつめられた夫婦が富豪を誘拐する話で、「お金が手に入ったら買うものリスト」を作ったりする無邪気な二人に、なんとも言えず切なくなった。子どもの頃、おもちゃ屋さんのチラシを見ながら、何を買うか悩んだりしたっけ、と。
でもその時の悩みは幸せな悩みだったけど、この夫婦の悩みは、夢想のような実体のないものだから切ない。僕らのような恵まれた時代に生まれて、物が溢れている世界で生きて来た人間にとっては、現実味のない行為だ。でも実際は、東京で生活を苦に自殺をする人だって居る。
彼らの素敵なところは、お金が無くても人間らしい幸せを失っていないことだと思う。
ちょっとお金に目がくらんで犯罪を犯していて、それが原因でケンカをしたりもするけど、基本的には愛し合っていて、お互いを幸せにするために動いている。だからまだ、ラストでも救いが残ったのではないかと思った。
現実には、会社が潰れそうになって一家無理心中をしようとする父親が居たりもする。事情はあれど、経済的な失敗で、生きる意味を失ってしまうのでは、何のための親、何のための家族かと思う。
そんな感じで、時代を捉えたいい作品だった。(作品中の舞台は、経済危機時代のフランス)
ほんとに最近は一家心中だの死刑になりたかっただの、暗いニュースが多いので、こういう作品がより多くの人の目に触れてもらいたいと思う。
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