
日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理さんによるエッセイ集。
2003年初版だから、そんなに古い本じゃないかな。
とは言っても内容はけっこう古いものが多くて、1950〜1990年代くらいに、新聞や雑誌に掲載されたエッセイが集められている。
序盤はデザインの概念的なエッセイ、中盤は世の中にあるすばらしい製品を具体例にしてのエッセイ、後半は世界の民芸品やご自身の家族に関するエッセイ、と内容は多岐にわたる。
僕が特に興味深く読んだのは、序盤のデザイン論的なエッセイ。
時には辛辣なことを書きながらも、デザインの社会的な存在意義について真摯に考える姿勢には、頭が下がる思いがした。
ものを作る、ということに対してもとても真剣に考えていて、例えばドイツに行ったときに椅子のデザインを依頼された際、「その土地の文化も理解せずに、土地の人が使うものはは作れない」と依頼を断ったエピソードなど、ただただ感心してしまった。
柳さんの作品はレードルとトングしか持っていないけど、本当に使いやすい。
悪いけど、うちの台所では、ALESSIのジャスパー・モリソンがデザインしたレードルとは、比べ物にならない活躍っぷりなのだ。
その違いが、この本に現れているように思った。
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