book: 2007年11月アーカイブ

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キッチン (角川文庫)

ALESSIだ、なんだー、と気づけばキッチン用品を買うことが多い。
ということで(?)吉本ばななさんの「キッチン」を読んでみた。
私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。
どこのでも、どんなでも、それが台所であれば食事を作る場所であれば私はつらくない。できれば機能的でよく使い込んであるといいと思う。乾いた清潔なふきんが何枚もあって白いタイルがぴかぴか輝く。

という書き出し。ストーリーの中でも、「食」が重要なキーワードとなっている。

体調に関することを言う時に、「食欲があれば大丈夫」なんてことを言ったりする。それに、「食」は体だけじゃなくて心のコンディションにも深く関わってる。
普段思ってる以上に、食べることと生きることは同じ意味で、結局生活につながっていくんだろう。そこを、吉本さんはとてもドラマティックに描いていると思った。
矢野顕子さんの歌にも「食べたものが 私になる やさしい人になりたい(You Are What You Eat)」という歌がある。やさしいものを食べた人は、やさしい人になるんだ、と思う。
とつれづれに色んなことを考えさせてくれる本だった。

茨木のり子詩集

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茨木のり子詩集

茨城のり子さん(1926-2006)の詩集を読了。良かったな。
ネットで「自分の感受性くらい」や「汲む」を見かけて本を手にしたんだけど、他にも好きな詩が幾つかあった。
思うに、この人の詩は普遍性があるというか、相当昔(1950年代)に書かれたはずなのに、今の僕の心情にリアルにグッとくるところがあって、そこがすごいなあ、と思った。
人間の内面というのはそんなに変わるものじゃないから、そこをやっぱり捉えてるんだろうな。
むしろ、今の時代にこそ読まれるべきじゃないか、と思うものも多々あった。

自分の感受性くらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

ほかの詩もこのインタビューのページに載ってるので、時間がある人はぜひ。

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