book: 2008年10月アーカイブ

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バーボン・ストリート・ブルース / 高田渡

高田渡さんのエッセイ集。
2001年に発行されて、その後絶版になってamazonとかでプレミア価格になっていたところに、文庫版が発売されたのですぐに買った。
高田渡さんはよく「伝説的フォークシンガー」と称される歌手で、2005年に亡くなっている。僕が大好きな弦楽器奏者、高田漣さんのお父さんでもある。
今年の1月に高田渡さんの存在を知ってから、渡さんのDVDを観たり、映画を観に行ったりして、その流れで本もさっくり読んだ。
今年は高田渡元年だったなあ・・。でも肝心のCDは2枚くらいしか聴いてないという。笑

前半は貧しかった幼少期から、歌手の道へ進んで、自分のスタイルを確立するまでを書いてある、自伝的なパート。
後半は、友達やお酒や旅のおもしろ話など、まさにエッセイという感じ。
高田渡さんて、飄々としているし、言うことも面白いし、なんか明るいキャラクターをイメージしてしまうんだけど、本を読むと、意外にも真面目かつちょっと暗めの人なんだなーと思った。まあ確かに明るい人はマリー・ローランサンの「鎮静剤」に曲をつけたりはしない訳だが。
映画好き、写真好き(撮る方)といった意外な一面も知ることができた。
あと漣くんは別れた奥さんとの間にできた子だったとか。それも知らなかった。

笑えたのは、あとがきでスズキコージさんが披露してくれているエピソード。
吉祥寺中道商店街のドブに頭を入れ、多分酒のせいで吐いていると、後ろから優しく背をさすってくれる人に、「どなたか存じませんが、ありがとうございます」と言うと、「お父さん、息子の漣です」
その遣り取り、目に浮かぶようだ。笑

白 / 原研哉

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原研哉さんのギャラリートークが面白かったので買ってみた。
「白」と言うだけあって、表紙やカバー、帯、見返し、観音開きになっている写真ページなど7種類の白い紙を使っていて、本自体が贅沢な作りだった。

内容は一部こないだのギャラリートークと被っていた。図とかも、ギャラリートークのときによくできてるなーと思っていたら、この本からの引用で、ちょっと納得。
残念なのはボリュームが少ないことで、本自体は分厚いんだけど、英語版も入ってたりして、ページ数で言うと読むのが80ページくらいしかない。だから2時間かからないで読めてしまった。(大筋の内容を知ってたというのもあるかもしれないが)

まあ、内容が悪い訳では全然ないし、ギャラリートークに行かなかった後輩にも読ませたいからいいんだけど。
この本がエンプティネスを体現してる、とかそんなオチだったりして。笑

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犬の記憶 終章 (河出文庫)

6月に行った森山大道展をきっかけに買った本。1997年頃にアサヒグラフ誌に連載されたものだそうな。最近やっと読み終わった。
特に森山大道さんに興味を持っているわけでもないんだけど。最近、どうも自伝的な本を手に取りやすい。人生に迷ってるのかな。笑

パリ、大阪、神戸、新宿、横須賀・・と森山さんと写真の漂泊を追った章立て。
僕は広告的なものならまだしも、アート的な写真の善し悪しがピンときづらくて、森山さんの写真もすごくいいとか、いまいちとか、それ以前の「・・・」ということが多い。(たまに、すごくいいと思う写真もあるけど)
でも森山さんの本に書かれている言葉とか、若い頃の話から想像できる人間像には、共感を覚えた。
フリーランスになりたての、まだ食うや食わずやの頃に結婚して、毎日売り込み用の写真を撮りに出かける不安感はどれほどだったろう、と思う。
僕も20代半ばに家でゴロゴロしながらサイトを作っていた時期があったので、なんかちょっと重なって、切ない気分になってしまった。

あと、森山さんが写真家なせいか、あるいはところどころに挿入されているモノクロ写真のせいか、文章からやけにリアルな映像や空気感が伝わってくるように感じた。
この空気感を忘れないうちに、MOTでやってる展示を観に行きたい。そしたら、いつもより何か感じられるかもしれない。

それにしても、ここのところ読書の神が降りてきてる・・。さすが秋。

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細谷巖のデザインロード69

広告制作会社 ライトパブリシティの社長、細谷巖さんの著書を読んだ。
細谷さんは1935年生まれで、日本のグラフィックデザイン創成期から第一線で活躍されている方。広告をメインとしたデザイナーだけど、身近でわかりやすい一例としては、「カロリーメイト」のロゴを作った人。

人間らしく適度にゆるい感じだけど、とてもプロ意識の高い人、という印象を受けた。
デザイナーの著書の多くは、多分40〜50歳くらいに書かれているのではないかと思うけど、この文章は70歳近くになって書かれているわけで、さすがに含蓄がある。
加えて、独立系のグラフィックデザイナーと違って、企業の社長としても長い経験がある方なので、より社会的な感覚を持っていることを感じた。

多少前後しつつも、20歳までの時代、ライトでの新入り時代、ライトでの活躍時代、デザイン概論みたいな章立てになっているのかな。
中でもやはり、ライトに入ってから日宣美賞を2年連続で取るあたりのくだりが、印象的だった。
いろいろなエピソードから感じられる、日本のグラフィックデザイン界事情も興味深かった。(田中一光さんホモ説とか・・笑)

以下、最後の方にあった一節。
こういうことを70歳近くなってから言える感性の柔らかさが、素晴らしいと思う。

デザインすることは、まずやさしくないとだめだと思うんです。やさしさ。それとわかりやすさ。それから、美しくないといけない。(中略)
デザインというのは、ぼくの場合は広告ですが、正確に言えば「愛する人のために」広告のデザインをしているということ。

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パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

茂木健一郎さんと町田康さんの対談が面白かったので、小説を読んでみた。

・・なんじゃこりゃ。滅茶苦茶だ。
時代小説なのに、登場人物がポジティブとか英語を使うし、変な新興宗教「腹ふり党」が出てきて腹を振るし、登場人物の台詞は異常に長いし、超常現象は起きるし。

序盤は、昔流行った「OL版・源氏物語」みたいな、現代の雰囲気と時代物のミスマッチが面白いのかと思っていた。(だとしたらつまらんなあ、と思っていた)
中盤は、この滅茶苦茶っぷりが一種のアートなのかと感心していた。
そして読み終えて。自分の足元がぐらつくような感覚があった。
設定の滅茶苦茶な時代劇のストーリーが、僕らの暮らしているこの世界と大して変わらないんじゃないか、という気がしたからだ。
そのやり方も、ギリギリまで破綻したストーリーを紡いでいるふりをして、最後の最後にまっすぐに突っ込んでくる。この変化がうまいと思った。
なんか、やられた感でいっぱいだ。。

「告白」という作品も買ってあるので、こんどはそれを読もうかと。

エッセイ / 柳宗理

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柳宗理 エッセイ

日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理さんによるエッセイ集。
2003年初版だから、そんなに古い本じゃないかな。
とは言っても内容はけっこう古いものが多くて、1950〜1990年代くらいに、新聞や雑誌に掲載されたエッセイが集められている。
序盤はデザインの概念的なエッセイ、中盤は世の中にあるすばらしい製品を具体例にしてのエッセイ、後半は世界の民芸品やご自身の家族に関するエッセイ、と内容は多岐にわたる。

僕が特に興味深く読んだのは、序盤のデザイン論的なエッセイ。
時には辛辣なことを書きながらも、デザインの社会的な存在意義について真摯に考える姿勢には、頭が下がる思いがした。
ものを作る、ということに対してもとても真剣に考えていて、例えばドイツに行ったときに椅子のデザインを依頼された際、「その土地の文化も理解せずに、土地の人が使うものはは作れない」と依頼を断ったエピソードなど、ただただ感心してしまった。

柳さんの作品はレードルとトングしか持っていないけど、本当に使いやすい。
悪いけど、うちの台所では、ALESSIのジャスパー・モリソンがデザインしたレードルとは、比べ物にならない活躍っぷりなのだ。
その違いが、この本に現れているように思った。

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ポール・ランド、デザインの授業

IBMのロゴ等を作った、故ポール・ランドさんの講義録。
80ページくらいの薄い本なので、すぐ読めた。
が、深いことが書かれているので、一度読んだからいいや〜、という本でもないかな。
手元に置いて、ときどき読み返したい。

何ページか、印象に残った部分を抜粋。 1 2 3

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