
フランスの俳優、オリビエ・コントさんによる、年老いて死の際にいる道化師(=クラウン)を描いた作品。作者は、こないだ観た「フランクフルトに〜〜」と同じ、マテイ・ヴィスニユックさん。
この作品は登場人物が1人だけなので、ずっと主人公のニコロを観ていることになるんだけど、動きがすごくて面白くてどんどん引き込まれて行って、あっという間に終わってしまった。
ほんとに素晴らしかったので、残り3公演のうちどこかで、もう一回観たいと思ってる。
この作品は2年前にもここで観たことがある。
そのときは、まだKAZEに行き始めて3回目くらいで、今よりも劇のことがわからなかったし、なんか呆気にとられてしまって、「すごかったなあ!」と通り過ぎてしまったような気がする。
今回は、「フランクフルトに〜〜」と間をあけずに観ることができたこともあって、マテイさんの世界観を少し垣間みたような気がした。
そうしてみると、少しは演劇というものに親しめているのかな、と思った。相変わらず、KAZE以外のとこにはほとんど行ってないんだけど。
そして、オリビエ・コントさん。
ほんとにエキサイティングだったなー。
動きが女の人のように滑らかだったり、老人のように震えたり、あり得ない姿勢で止まったり、体を使いこなしてる感じがした。
あと、上演中のハプニングで、通路に立てかけてあったパイプ椅子が倒れて、「バターン!!」というかなり大きい音がしたんだけど、瞬間コントさんはトランクを抱えて身を守るような動きをして、ハプニングを笑いに変えていて、感心した。きっとそういうハプニングも演劇の内なんだろう。
あとは、「間」なのかなーと思った。やっぱりひとりだから、ずっとしゃべり続けてるわけにもいかないし、セリフとセリフの間に無音の時間ができる。
その「間」が印象的だったり、余韻ぽいものを伝えたり、動きが引きたったりしてるような気がした。
間の取り方やセリフも一律じゃなくて、その日の観客の反応や気配によって変えたりしているらしい。
そこがやっぱりすごいし、だからこそDVDにはできないんだろう。
「人間が人間に対し、人間のことを語るのは演劇だけだ」というのが、オリビエ・コントさんの言葉だそうな。
その意味はよくわからないけど、今日の舞台で感じたのは、そういうことだったのかもしれない、と思った。
